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殺し屋小説

いつもの日帰り出張で、今日は早朝から高速バスに揺られ大阪へ。

昔から車酔いをしやすい性質なので、「どうせすぐに読むのを諦めるだろう」と思いつつ、

昨日から読み始めた伊坂幸太郎の「グラスホッパー」の続きを開いた。


この人の“本”を読むのもこれで5冊目となる。

初めは、若い流行作家の小説がどれほどのものかと、多少訝しく思いながら、当時「本屋大賞」を受賞して馬鹿売れしていた「ゴールデンスランバー」を、当時の彼女の妹(今の義妹)から借りて読んだ。

相当面白くて、これは売れるはずだと思った。

以降、「小説を読みたいな」と思うタイミングには、常に彼の作品が選択肢の中に入るようになる。

言わずもがな、今のところ伊坂幸太郎作品には、ハズレがない。

それは、原作を読んでいない映像化作品においても当てはまる。

もはや、最初に訝しんだことを潔く謝罪して、「大好きな作家だ」と認めるしかないと思う。


というわけで、5冊目となる「グラスホッパー」も、当たり前のように面白かった。

文庫本の背表紙に書かれている紹介文には、「分類不能の殺し屋小説」などと書かれており、なんだかチープな印象を拭えなかった。

ただ、よく思い返してみると、この人の小説は、オチを伏せた粗筋が大体チープだ。

あり得ないような世界観に、不思議なリアル感とエンターテイメントが共存することが、この人の小説の面白さだと思う。

この作品にもそれはまさに当てはまり、「殺し屋」という様々な創作で使い古された現実と非現実の狭間の存在が、

目の前の日常に、ひっそりとそして確実に存在しているというリアル感がみるみるうちに迫り、

気がつくと独特なエンターテイメントの世界にどっぷりと浸っていた。


危惧していた車酔いは完全になりを潜め、一気に読み切ってしまった。


これまた映画化を期待したい小説だった。そういう部分も、僕がこの作家の作品が好きな要因だと思う。



グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー (角川文庫)
(2007/06)
伊坂 幸太郎

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