2005年06月

  1. 2005/06/07 求職する
  2. 2005/06/13 梅雨入りの茹だり
  3. 2005/06/15 夜明かしの午後
  4. 2005/06/22 待ちぼうけの日々
  5. 2005/06/27 乾き
  6. 2005/06/29 口内炎

求職する

 今やるべきことが定まると、それ以前よりも気持ちがずっと楽になった。就職希望先をとりあえずCM制作会社の一社に絞り早速履歴書を送った。考えてみると、たぶん、自分はまわりの同年代の人たちと比べて履歴書というものを書いた回数がとても少ないと思う。それは、自分の出来が良いとか普段冗談で言っているようなことではなく、この何年かを通して、あらゆる競争の場から逃げ回ってきたからに他ならない。でも、それを“反省”するなんてことは毛頭無い。いつだって、それは自分が望んで経てきたことだからだ。これからも俺は、どうしても必要でない限り、極力そういう状態を避けていくだろう。良いとも悪いとも思わない。ただ自分の価値観がそうであるだけだ。

梅雨入りの茹だり

 梅雨に入ったばかりだというのに、仰向けに望んだ空は青々と広がっていた。青空は眩しく、自分の焦点があっているのかどうか定かではなかったが、視界の隅に見つけた月の輪郭で確かめることができた。
 昨夜はとうとう一睡もできなかった。できなかったというよりも、夜明け前にして眠れない状況を打開すべく、翌晩まで起きていようと決めていた。午前中は乗り切れたが、午後になって流石に睡魔に襲われた。何もすることがなかったので、古本屋と本屋を数軒廻った後に自宅から車で10分ほどの浜辺に来ていた。車の中で1時間ほど眠ったが、6月の日差しにじわりと起こされた。眠気は覚めていなかったけど、とりあえず車外に出てみることにした。日差しは強かったが、吹き抜ける海風は心地よく車内よりよっぽど涼しかった。
 50メートル程の間隔で設置されているベンチの一つに腰掛け、海を眺めた。夕日にはまだ時間がある日差しに包まれた瀬戸内の海は美しかったが、好きな夏の開放感はまだ無かった。
 激しいほどの眠気のせいもあるが、今日は一段と無気力だった。何もやる気が起きない。何かを考えようとしても思考がまとまらない…いや考えること自体を無意識に拒否しているようだ。その自分自身の状況が尚更に無気力感を助長している。「まったく、何がしたいのか?」もう何十回も繰り返されている質問にまた自答を求めている。
 両耳のイヤホンからは、Coccoの歌声が聞こえている。しかし歌詞の内容はほとんど頭に入ってこない。何曲か触りを聴いた後停止ボタンを押し、ベンチに仰向けになって遥かに広がる青空をしばらくの間、眺めた。

夜明かしの午後

夜を明かして迎えた朝の午前中の時間の経ち方の異様な速さを感じながら、昼前に一寸の眠りに就いた。すでにたたんだ布団を枕にして絨毯の床で寝たためか、たぶん二時間程で目が覚めた。たぶんというのは、眠りにおちた時間帯が定かではないし目が覚めた時間の確認も曖昧だったからだ。目は覚めたが、当然頭は薄い靄がまとわりつくようにぼやけ、若干の偏頭痛が体の動きを鈍らせた。とりあえず、その場でほとんど寝そべった体勢のまま、ここ最近作業を繰り返しているDVDに焼き付けたテレビドラマを見ることにした。大好きなそのテレビドラマは大人気シリーズとなった刑事もので、これまでに幾度も見たはすだったがつい熱中してしまい結局最終回まで一度に見続けた。
 夕刻になり、ほとんど睡眠を受け付けない体内に蓄積された靄を少しでも取り除こうと思い、一昨日も出掛けた海へ向かった。午後四時半を少し回ったあたりで、外はまだ昼間の明るさを携えていたが、夕景を撮ろうとデジタルカメラをポケットに押し込んだ。

待ちぼうけの日々

地元のCM制作会社に履歴書を送って5日経った。これまで履歴書を会社に送ったことなどなかったので、返事の連絡がいつくるのかが分からず、ただただ待ちぼうけの日々が過ぎる。どこかへ出掛けて何かをするべきかもしれないが、別のことに気がまわらない。そういう相変わらずの自分らしさに諦めと若干の嫌悪感を抱きながら、ずっと部屋で過ごしている。幼いころから、基本的に一人遊びが好きな子供だったので、一人で時間をつぶすことに苦痛は無い。何もすることはなくても、何かしら時間は過ぎる。この数年間、そういった時間を一体どれほど消化してきたのだろうか。いつものように顧みようとして、すぐやめた。それが無意味で巨大な空しさを伴っていることをよく知っているからだ。
 梅雨に入ってもう十日が過ぎた。もう六月も終盤だというのに、ちっとも雨が降らない。雨が好きではないが、窓外に降りしきる雨音は気持ちが落ち着いて心地いい。もしこのまま梅雨が明け、夏がきても気持ちの疲れが解消されないままだ。四季の中で一番好きなのは夏だが、それは梅雨の静寂な閉鎖感の直後に訪れる解放感によるところが大きい。このままでは、夏の良さが半減だ。というようなことを考えながら、いっこうに雨を許さない曇り空を眺めた。

乾き

蒸し暑くなった室内の空気を感じて目覚めた。時計はもう正午をまわっていた。9時に一度起きて、昨夜途中で眠ってしまったサッカー中継の録画を居間で観た後、眠気に襲われて二度寝の格好になった。睡眠が増えることで気持ちはますます晴れないが、やることも金も無いので効率はいいのかもしれない。CM制作会社に履歴書を送ってもう十日が経った。とにかく仕事を決めなければどうにもならない状況で、日々を持て余している。早くしないと、今年は梅雨がらしさを見せぬままに夏を迎えそうだ。梅雨なのに乾ききった日々に、自分の体の中までゆっくりと乾いていくような錯覚を覚える。

口内炎

昨日できている事に気づいた口内炎が痛い。昨日よりも確実に大きくなっていて、直径が5ミリはあるのではないかと思うが、舌先の触感で測っただけなので確かではない。ストレスを感じるようなことはこのところ全くないはずだ。そもそも何もしていないのだから。ストレスなど感じるはずがない。でも、おそらく、何もしないでいることが、着実に鬱憤として積もっているのだろう。人間とはなんて不憫な生物だろうかと思う。何かをしてもしなくても、何かしらのストレスを感じ続ける宿命なのだ。そもそも、ストレスというもの自体が人間という生物の象徴かもしれない。ああなんて不憫なんだろう。
今日もやることがなくて、漠然と日が過ぎ去った。昼過ぎになって、市のコミュニティーセンター内のプールに行った。しかし、プールは人が多く、しかも中年女性を中心とした水泳教室が開かれていて、とても心地よく泳げそうになかったので諦めた。どこかへ行こうかと考えたが、何も思いつかず、古本屋を数店めぐって夕方になったので帰宅した。
当たり前のことだが、日々に充実感が無い。だいたい、心の底から充実などを感じたのは、一体いつが最後か。と、もはや常套句と化している悲観を巡らしかけて、止めた。

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