ひとりNumber

  1. 2018/07/03 無音の咆哮、幸福な時間
  2. 2018/06/29 負けて勝つ
  3. 2018/04/14 日本代表チームの不手際
  4. 2018/02/15 遙かなる山の頂に対峙する幸福
  5. 2016/04/09 史上最高のスイマー
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無音の咆哮、幸福な時間

 


午前4時過ぎ、絶叫を噛み殺し、リビングを走り回る。 

原口元気と、乾貴士の素晴らしいゴールによって、日本が強国ベルギーに対して2点先行した。
この国のサッカーが、ワールドカップのベスト8に手をかけた瞬間だった。 

だがしかし、無情にも勝負の女神は、日本の手を振り払い、神々しいまでのスピードで去っていった。 

日本の敗戦に対して、悔しくて泣いたのはいつぶりだろうか。
ベスト8の壁はやはり高く、残酷だった。
それでも、日本代表チームは、勇敢に攻め登り、壁の向こう側を覗いてみせた。

わずか十数分のことではあったけど、日本中が夢見た時間は、あまりにも幸福だった。
あの幸福な時間を過ごす事こそが、サッカーを見る意味だと思う。 
ならば、他に何を望むのか。

壁を越えられなかったからこそ、夢は続いていく。 
これからもブルーのユニフォームに声援を送り、心の中で唱え続ける。

シュート、そして幸運を。

負けて勝つ

ロシアワールドカップ、日本代表は決勝トーナメント進出を、首の皮一枚で決めた。
まさに、「負けて勝つ」とはこのこと。
「無様」ではあった。
でも、プライドを捨て、それでも結果を最優先したことには成熟を感じた。
おそらく、こういう展開も多分に想定したゲームプランだったのだろう。
フェアプレーの差での勝ち残りを、ブーイングを受けながらでも掴み取るあたりに、西野監督らしい勝負に対する美学を感じる。
同組のセネガルが最後の最後で引き分け、日本が敗退していたなら、総スカンは免れなかっただろう。
でも勝負師は賭けに出た。きっと「勘」が働いたのだろう。
そして、「勝利」した。ならばそれが正義だ。

日本代表チームの不手際

今回のサッカー日本代表の監督解任劇を受け、元日本代表監督のフィリップ・トルシエが、彼の立場ならではの非常に的を射た見解を示していた。
トルシエ監督時代の日本代表は、自他共に自分たちがナショナルチームとして「未熟」であることを理解していたのだと思う。
トルシエは、まるで子どもに接するように代表選手に接していたことが思い出される。
現在の日本代表は、もちろん当時と比べレベルは格段に上がっているけれど、そのことが、自分たちの未成熟さを見失わせてしまったのではないか。
ハリル監督も、選手たち自身も、未熟さを認めて「大人」の対応をすることが出来なかったことが、今回の不手際の一因だと思った。
ともかく、何がどうなろうとも、プロスポーツは結果がすべてだ。
選手たちは、ただひたすらに大舞台で最高のパフォーマンスをするしかないし、我々ファンもそれを望んでいる。

遙かなる山の頂に対峙する幸福

12年前のトリノ五輪、日本人選手の台頭もあり、スノーボード ハーフパイプという競技に日本中の注目が集まった。


日本人選手が見事に惨敗し、世界との本当の距離感をまざまざと見せつけられた中、


殊更に異次元のパフォーマンスを見せ、大会を支配したアメリカ人選手が、絶対王者ショーン・ホワイトだった。


その時初めて王者のパフォーマンスを観た僕は、衝撃を通り越して、唖然とした。


こんなスーパースターがいる間は、日本人選手に勝ち目はないと心底思った。



当時のその感想を、改めて訂正し、すべての日本人スノーボーダーに謝罪したい。



あのトリノ五輪から8年が経ったソチ五輪で、日本人選手が表彰台の2nd3rdに立った。


そしてソチ五輪から4年後、日本が生んだ銀メダリストが、かの絶対王者と「真っ向勝負」を繰り広げた。


絶対王者を追い詰めたということよりも、


王者にとって見紛うことなき「好敵手」となり、彼の限界を引き上げて、


過去最高のパフォーマンスをさせて見せた平野歩夢を、日本人として心から誇りに思う。


日本が誇る2大会連続の銀メダリストは、なんとまだ19歳である。


目の前で肉薄した「頂」が高いことは、彼にとって、今金メダルを穫ることよりも遥かに幸福なことだろう。


そして、12年以上にも渡り絶対王者として君臨し続けるショーン・ホワイトには、ただただひたすらにリスペクトしかない。


史上最高のスイマー

この先50年、いや100年、国内において彼以上のスイマーは現れないのではなかろうか。

それは少々大袈裟にも聞こえるけれど、

実際、彼が日本史上最高のスイマーであることは言うまでもなく、

おそらくは最後の真剣勝負の様に、心が震えた。


北島康介の最後の五輪挑戦は叶わなかった。

最後のチャンスにかけて挑んだ200m決勝。

日本のスポーツファンとしては、ラスト5mまで北島康介の「勝利」を待望したけれど、

結果的には最良の花道となったのではないかと思う。

5大会連続の五輪出場となれば、きっと日本中が湧いただろう。

けれど、決して停滞することなく上がり続ける世界のレベルにおいて、

リオ五輪本番での「惨敗」の可能性は正直高かったと思う。

そんな姿は誰も見たくないし、

北島康介はまた後悔を抱えてしまうだろう。

最後の決勝レースで、レジェンドは全力の真剣勝負をして、

敗れて、

若い世代の二人が五輪への切符を勝ち取った。

それは、偉大なスイマーの最後の勝負に相応しい結末だったのだと思う。

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